日    時:2022年7月23日(土)10:00~12:00
場    所:各自宅
方    式:ZOOM
ZOOM HOST:宮尾 賢さん
レポーター :高橋嗣雄
テ ー マ :ヤングケアラー
資    料:
① Ministries to support Japan’s growing number of young carers
②  Editorial: Society needs to extend a helping to Japan’s young carers
③  Global Perspectives on Children’s Unpaid Caregiving in the Family
参  加   者:12名(男7名、女5名)
概    要:

レポーター

最近ヤングケアラーという言葉がマスコミでも見聞きすることが増えてきました。2022年7月7日の日経記事でもこれが取り上げられ、先進国の中でも日本は大変遅れといて、英国が世界で最もこの問題への取り組みが進んでいて約30年前からこの問題に本格的に取り組みを開始し、日本はここ2~3年前にようやく取り組み出したのが実情であること、2番目に進んでいる豪州も英国より4~5年遅れで取り組みを始めているようです。資料①と②は遅れているといわれる日本の取り組みで文部科学省と厚生労働省が共同で調査したもので①は全国の中学校と高校の中から無作為にそれぞれ約400校弱を抽出しアンケート形式で調査を実施し、結果は例として、中学2年生の場合回答の5,558人中、家族の世話をしていると回答したのは319人(5.7%)、高校2年の場合7,407人中307人(4.1%)であったそうです。②は次年度に小学校と大学について実施したもので家族の世話をしていると回答したのは小学生は6.5%、大学生は6.2%だったそうです。日本はまだほんの少数の無作為抽出校で実施した段階で、手を差し伸べるべき生徒・学生の個人把握には遠く及ばない状態で、統計的にヤングレアラーの存在割合を推計する段階にあると思われます。高齢者の要支援者は介護認定手続きなどで該当者の個人特定が行政で把握できるのに対し、ヤングケアラーの場合、支援を求めて公表するケースはほとんどなく、逆に彼等はその事実を隠そうとする傾向があります。大人たち特に学校の先生は生徒たちの日常の異常からヤングケアラーを見出すことの重要性が指摘されています。③は対応が最も進んでいる英国の大学がヤングケアラーを学術的論文にまとめたもので、英国、豪州、米国、サハラ以南のアフリカ地域の4つについて詳細に分析し、この問題への対応を4つの段階に区分し、1.進歩している、2.中間段階、3.初歩段階、4.問題出現段階に分けて1.に該当は英国、2.は豪州、3.は米国、4.はサハラ以南のアフリカに格付けしています。他の先進国は良くて3.留まりと評価しています。4.のサハラ以南地区は子供たちによるケア活動とエイズ蔓延による死者の多さが入り混じり、平均寿命も極端に短くなっている実情があるそうです。③の資料は時間の関係で輪読は半分程度しかできませんでした。

参加者全員