3月25日(月)に「山の会」で「伊豆高原大室山と野坂オートマタ美術館」が実施されました。30名の参加で、好天に恵まれ、素晴しい富士山と咲き始めた桜も楽しめましたし、美術館も驚きのからくり人形でした。最後は温泉と懇親会で交流を深めました。詳しくは本文をお読みください。

山本代表のメッセージ

Dear CHAMP Members and Members to be:

CHAMP 代表 山本儀子(やまもとのりこ)春先の気候を表す意味で「三寒四温」と言うそうですが、何やら近年は寒暖の差が激しい四季の移り変わりを体験しますね。今この原稿を4月10日にしたためています。そして今日は天皇・皇后両陛下のご結婚60周年ダイヤモンド婚記念日です。天皇になられて30年、平和を願い、皇室という厚い障壁を超えて、数多くの災害地を見舞われ、人々を励まされて来られたご尽力を疑う人は居ないでしょう。実は私個人としては天皇制には疑問の考えを持っておりますが、両陛下の長年にわたる平和への献身的な活動に感銘を受けています。生前退位のご決断に、ご苦労様でしたと心からお礼を申し上げたいです。新年号「令和」となり、新しい天皇・皇后をお迎えして日本はこれからどのような変化を遂げていくでしょうか? <清らかで、穏やかな>時代となるでしょうか?

若い世代が生きがいを感じる平和な世界のために
チャンプの目標は、助け合いと自立です。会員それぞれの経験と知識を分かち合い、自分と社会の向上に役立てることです。日本では近年「少子・高齢化」に注目するあまり、若い世代の意気込みと情熱が薄らいで来ていることを軽視してはいないでしょうか? 多数の我らチャンプ成熟世代が育った円安の時代に比べて、約3倍の円高時代にありながら、なぜ多くの若者達は国内に引きこもるのでしょうか? 豊かな時代に育ち、ハングリー精神に欠ける、と言ってしまえばそれまでですが、実際に理由はそれだけでしょうか? 私達はどこかで次世代に伝え漏れしたことがあるのではないでしょうか? 今の若者達が私達を見て、あのような格好いい人生を自分も歩みたい、と思うような姿を見せているでしょうか?子は親を見て育つと言いますが、私達の生き方が次世代のやる気と情熱を引き出す、と信じています。私は今こそ、チャンプの存在意義を痛感している次第です。

では何ができるか・行動提案です
その1:
直近としては、来年のオリンピックです。もういろいろな団体や自治体で様々なボランティアをされている方々が多いことと思います。チャンプの会員には英語の堪能な方が多数おられますので、役立てる場と機会が多々あるでしょう。若い世代が世界をつなぐ架け橋となれるように、身近なところからぜひ大会運営を手伝いましょう。
その2:
新しいコミュニケーションツールを正しく学ぶ場を提供しましょう。
SNSの氾濫や間近に迫っているキャッシュレス時代等々、成熟人世代はもとより、若い世代も正しく学べない程、異常な速さで世の中の通信・物流・業務体制が変わってきています。自分達の勉強並びに若い世代との交流を促進するために、専門家を招いて勉強会を定期的に開くことを提案します。実行委員会を発足させますので、力を貸して下さい。
その3:
若者達の発表の場を設けましょう。チャンプ準会員は皆さん現役のビジネスパーソンです。彼らは会社のサービス拡販や人脈を探しています。チャンプ成熟人の力は、経験と知識・人脈です。ぜひ若い人達の役に立てるアドバイスや紹介をして助けましょう! これは例会毎に開催が可能です。1回1回の積み重ねで、ビジネス機会が広がることになります。

「チャンプ記念文集」の在庫は残り37部となりました! 本号9頁ご参照下さい。
湘南台本部の次回例会は6月22日(土):スピーカーは司法書士西沢優美さんで「自分と家族を守る老い支度:相続・認知症対策など」(Page10)です。関西では6月19日(水)神戸「アレグロ」で開催(Page 10)。多くの皆様の参加をお待ちしています。

Best wishes,

CHAMP代表 山本儀子 Noriko Yamamoto

第75回チャンプ例会

3月16日(土)11:45~15:00

春の訪れをようやく感じさせる弥生16日、チャンプ第75回例会が開催された。
湘南台チャンプハウスにほど近い「湘南菊花大飯店」でのランチからプログラムがスタートした。その後場所をいつものチャンプハウス・ラウンジに移して、例会の議事に入った。
最初に、安斉運営委員長より、新会員の紹介があり、最近入会された新堀チヤ子さん、
片桐美徳・真弓夫妻、中村紀美子さんが紹介され、自己紹介を兼ねたご挨拶があった。
引き続き、チャンプ2018年決算及び2019年予算が会計担当の戸邊美恵子さんから報告された。また、20周年記念文集の販売状況が中林さんから報告された(P.8^9ご参照)。

アメリカよもやま話 山本代表

今年になって2度(2月中旬と3月上旬)アメリカを訪れたが、その時に感じた米国内の政治的、経済的な空気、雰囲気をお伝えしたい。

(1)トランプ大統領の揺るぎない支持層から戸惑いが出ている
この微妙な空気というか雰囲気の変化は米国へ着くとすぐに感じられた。トランプを強力に支持する人たちが戸惑っている理由としては①トランプ氏の気まぐれな姿勢、②自分と意見が異なる人々を次から次へ切り捨てること、③貿易戦争、特に中国に対する関税措置などに見られる強硬策から生まれる将来への不安などが挙げられる。
但し、意外な感を受けたのは、メキシコ国境に壁を作ることに関し、民主党系の人たちにも賛成者がいることである。アメリカとメキシコの国境は2000マイル(3200km)あり、現在、サンディエゴからテキサス州エルパソまでが完成済み(全体の約3分の1)、残りの3分の2
(エルパソからブラウンズビルまで)がこれから作られる部分。壁建設に支持が多い理由は不法移民が増えて、雇用機会、殊に低賃金で働く職種が減っている為である。物理的な壁で不法移民を完全に防止出来ないかも知れないが、少なくとも減少させる効果は期待されている。

Real Clear Politicsという調査機関が行った世論調査の結果が興味深い:
①大統領の職務遂行に対する支持率
2018.10.1~18   承認・賛成 43.9%  非承認・反対 51.9%
2019.3.13~3.26    43.4%   52.9%

② 国が進んでいる方向
2018.9.27~10.17 正しい方向 40.2%  間違った方向 54.2%
2019.3.13~3.26        35.4%         57.4%
トランプ大統領の減税政策で財政赤字が1兆ドル増加したことが問題となっている。

(2)日本と韓国の間の政治的摩擦
日本と韓国との間の昨今の摩擦は、アメリカでは全くと言っていいほど報道されていない。アメリカの庶民が目にするメディアだけでなく、韓国系アメリカ人ですらこの問題には無知である、というのが現実。これは韓国政府による報道管制によって日本と韓国の間の問題が国際的に知られていないためで、国連などを介して日本からのアピールが必要であろう。

(3)トランプ大統領は再選されるか
これは誰しもが興味を持つ質問だが、その可否は民主党がトランプに拮抗できる強力な候補者を立てられるかにかかっている。現在、有力視されている元副大統領バイデン氏(76歳)や上院議員サンダース氏(77歳)では勝ち目はないと見られる。アメリカの復活を希求する市民にとってトランプは強力なリーダーシップがあると目されているからである。民主党候補で注目されているのはカリフォルニア州上院議員カマラ・ハリス氏(54歳、黒人女性)、或いはテキサス州下院議員べト・オルーク氏(46歳、JFKを彷彿させると言われる)の二人である。

会員スピーチ 「タブーに挑む」 梅澤正巳さん

我が国では一般社会の会話の中で政治と宗教の話題はタブーとされている。これらの話題を取り上げると、日本社会の持つ「仲良しクラブ」的な雰囲気を壊すことになる、というのがその理由のように思われる。しかしながら、現在のように世界が激しく揺れ動いている時代にそのような態度をいつまでも続けて良いものだろうか。今こそ、敢えてタブーに挑んであらゆる分野で活発に議論し、行動する必要があるだろうと確信している。
その意味で、本日の私のスピーチはチャンプ会員の皆さんが今後大いに議論し、行動を起こしていただくための「切掛け」を提供するものと考えて貰えれば幸いである。
現在、世界の主な国、地域の現状を見ると各々の国が根っこは同じながら、それぞれに異なる問題を抱えており、その中で日本がどのように舵を取っていくのか、難しい局面に直面している。例えば唯一のスーパーパワーと言われるアメリカだが、格差の拡大が国民を蝕み、かっての大らかさは失われて仕舞っている。しかし、この国は良かれ悪しかれ振幅が大きい国で、常に揺れ動いている。従ってこの国を理解、評価するについては必ず歴史的な文脈で考えねばならない。つまり、この国は其の時々の動向に一喜一憂しても始まらないのである。そして、アメリカを激しい勢いで追い上げる中国はどうか。ご承知の通り中国は多民族国家で国内に多数の少数民族を抱え、強権発動する以外ガバナンスをとるのが非常に難しい。勢い覇権国家とならざるを得ないのである。また、ヨーロッパに目を向けると、この地域では多数のムスリムが移民として流入した結果、イスラム原理主義とキリスト教原理主義が激しく相克を引き起こしている。中世十字軍時代から潜んでいる人間存在のより根源的な部分での対立が、またぞろ表面化しているのである。つまり、世界は自国中心主義に先祖返りし、混乱と混迷の最中にあり、極めて危険な状況にあると言えるのである。
このようなグローバルな環境の中で、日本の進路はどうあるべきか。殊に国家の安全保障はどうあるべきか、我々は真剣に考え、議論を尽くす必要があるだろう。一国の安全保障を他国の自制心に依存することは現実的ではない。日本の安全保障は自らの力で守る必要がある。しかしながら、軍事費を今以上に大きく伸ばすことは、日本の財政事情を考えると不可能に近い、ではどうするか。日本の安全保障を強化するために、もっと広く世界に対して積極的に情報発信を行い、日本の置かれている立場に理解を求める必要があるのではないか。
勿論そのためには、現実主義で成り立っている世界に対し、自分自身の意思と立ち位置とを明確にする必要がある。世界世論に信頼と共感を得るには、それ以外に道はないのである。
例えば、中国は軍事大国として地位を高めつつあるが、同時に世界各地に「孔子学院」という中国語や中国文化の教育、宣伝、中国との友好関係強化を目的とする政府機関を作っている。つまり、軍事力のみに頼らない民間外交に巧みな安全保障政策の一環を担わせている。
日本は戦後、日米安全保障条約によって全面的にアメリカ依存の安全保障体制を維持してきた。しかし、世界を見渡すと、NATOでアメリカと固く結ばれたヨーロッパでもフランスのマクロン大統領はこれとは別に「ヨーロッパ有志軍事同盟」を提唱し具現化している。同様にアメリカと強い絆で結ばれているオーストラリアでも、Plan Bと称されるアメリカのみに依存しない安全保障政策が唱えられ、予算化がされている。
さて、このような世界のパラダイムシフトの最中において、我々の年代の人間として常に考えるべきは、次の世代に何を遺すか、そのために何をなすべきか、ということではないか。高度経済成長期には世界の先進国に一刻も早く追いつき、追い越せという単純明快な目標に向かって一路邁進すればよかった。現在はそのような国民全体が共有する目標が見当たらない。従って、自分自身で目標を考え、創り出さねばならない。しかし、命題は経済指標のように単純で判りやすくはない、国家や民族の根源に拘わる問題は複雑で難しいのである。
だが、それでも挑まなければ為らない。そこで必要とされるのは、われわれの「大人の智慧」であろう。真実から目を逸らさず、血気に逸って徒に争うことなく、矛盾の中に「落としどころを見つける」。如何に世界の人々の共感を得て共生に至るか。人との相違点ばかりを論うのではなく、同じように考える相似点に目をつけ、それを中心に纏まっていくことが必要だと信ずる。遠心力を働かすためには、中心核が定まらねばならないからである。
*参考 今年のピーター・ファレリー監督によるアカデミー作品賞「グリーン・ブック」は、白人運転手と黒人ミュージシャンの相克を、差異から共感と共生に至る経緯として描いたもので「対話」が融合の鍵である事を示唆しており、当に時宜を得た受賞と言えよう。

(文責 宮尾)

関西支部3月例会

3月20日18:00より

梅の香が漂い、桜の開花も間近の3月20日(水)の夕刻より、京都の中心、三条烏丸のホテル・モントレのレストラン「エスカーレ」で春の例会を持ちました。
現在、関西支部は新メンバーも増えたとはいえ、実質15~6名のメンバーの中で当日は10名が集まりました。例により、山本代表の「アメリカよもやま話」から、多くのバッシングを受けつつも根強い支持者の多さと対する民主党の頼りなさに助けられ、意外と底堅い力を発揮しているトランプ政権のアメリカの現状報告を話の種に意見を交わし、加えて各自より近況報告から話に花が咲き、フランス料理を楽しみながらの一時を過ごしました。唯、関西支部として何か有意義な活動をといつも話題に上りますが、関西ではメンバーが少ないのに加え、メンバーの多くが現役で会社や事務所を運営する方が多く、なかなか東京のような活動ができないことを自戒しつつ、しかし全員CHAMP関西支部として何か有意義なことをやろうという気持ちは大いにあるということで、また次回に大きな課題を残すこととなりました。

活動会からの近況報告

コーラスを楽しむ会

近況報告  中林由行

「コーラスを楽しむ会」は毎月原則として第2金曜日の夕方から池袋のミュージックスタジオフォルテで田中美香先生の指導のもと練習を続けています。最近参加された会員もいて総勢は30名、うち男性は11名です。パートはソプラノとアルト(女性)、テノールとバス(男性)の4部に分かれており、混声二部、三部、四部の合唱を楽しんでいます。
2016年の第1回コンサートと昨年のチャンプ20周年コンサートを経てかなり歌唱力も上がり、またレパートリーも増えてきました。最近練習している曲は「時の旅人」「With You Smile」「Song is my soul」「民衆の歌」「落葉松(からまつ)」などですが、先生が中高生の指導をされていることもあって新しい若者向きの曲も多く楽しめます。「落葉松」は日本の歌曲にも挑戦しようということで選びましたがなかなか難しく音程も高いこともあってうまく歌えるようになるかどうかはこれからの課題です。
今年の年末には第2回のコンサートを開催することが決まり、これからそれに向けて練習を加速します。前回のコンサートと同じように聖望学園の若者たちも賛助出演してくれる予定ですので老若多世代の楽しいコーラスが聴けると思います。(写真はフォルテでの練習風景)

スピリチュアル懇談会

安斉洋一

2月21日(木)の午後、湘南台でスピ懇を開催し、出席者5名が自由に懇談した。
今回は、イエール大学で23年間連続の人気講座「DEATH 死とは何か」の著者シェリー・
ケーガン教授の指摘と結論を紹介して、話し合いを進めた。
同教授は、一人一人がしっかりと死を見つめ、向き合い、死について考えることの重要性を
学生に訴えているが、私たちは愛したり、夢を抱いたり、創造したりする能力があり、計画を立ててそれを他者と共有できる驚くべき機械に過ぎず、機械は壊れてしまえばおしまいであるという立場に立つ。教授は、人は人格機能を果たせるただの身体に過ぎず、身体が死んだ時が一巻の終わりであると割り切って考える。そして魂の存在は否定する。
少しでも長い人生を送ることが本人にとって良い限り死は悪いが、だからと言って不死が良いという事にはならず、不死は災いであり、恵みではない、とする。
自殺は常に正当であるわけではないが、正当な場合もある、とする。
生きてこられたのは幸運だったと気づいても、生き続けることが必ず幸せだと言う事にはならない、と教授は指摘し、そして、死を恐れるのは不適切な対応であるとする。
教授の指摘・主張に対し、魂の存在を肯定する考え方や、死を恐れる人、恐れない人達の事例も紹介され、参加者自身や身内の方の闘病体験や生きざま等も率直に語られた。  (安斉 記)

山の会

大室山からの大パノラマと野坂オートマタ美術館の共演に大感動!戸邉正博

10時、伊豆急「伊東」駅に30人が集合。早朝の肌寒さを忘れさせるような青空が、ワクワクする一日を予感させてくれました。「山と芸術」の共演はこうしてスタートしました。臨時専用バスに揺られ40分、すり鉢を逆さにしたような「大室山」のリフト乗り場で出迎えてくれたのは中腹まで雪が残る霊峰富士の姿でした。大室山は姉、妹が富士山という神話に「えっ!姉妹逆では」との声もあがる中、仲の良い姉妹とはいえ美しい妹ばかりを褒めた人に祟りが起こるとの伝説に、女性の恨みは怖い!気を付けないと!と呟いたのは自分だけでしょうか。リフトに揺られ頂上へ。待っていたのはとても自然の造形とは思えない「お釜」のような、人工物状の真ん丸な火口に仰天。頂きでは富士の雄姿、伊豆や天城山系の山並み、相模湾に浮かぶ伊豆諸島、そして眼下には4,000年も前に噴火した大室山から南東に流れ出た溶岩流が形作ったなだらかな伊豆高原、真っ青な空と春の陽光に霞む360度の眺望に圧倒されました。
昼食、集合写真撮影後、相模湾に向かう下り坂に沿い醸し出す別荘地の風情や、整然とした通り並木の2分咲きの桜を愛でながら、瀟洒な構えの「野坂オートマタ美術館」に到着です。チャンプ会員でもある野坂館長の笑顔と、前庭での美味しいコーヒーの歓迎に一息後、楽しみしていた「オートマタ」の解説、展示品、実演の連続に時間の経つのも忘れました。「西洋からくり人形」と紹介されますが想像の域をはるかに超えた、「音(オルゴール)、人形の動き(ゼンマイ・滑車)、服飾品」の製作技術がベスト・マッチした「芸術作品」であることが分かりました。野坂さんの個人的趣味から出発した200体にも及ぶ収集品の展示、その中から常設展示や年4回催される「企画展」での実演、パフォーマンスで「匠の技と伝統」を伝えようと尽力されています。収集のご苦労もさることながら、「修理・メンテンナンス」のご苦労は尽きないようです、何せ100年以上前の動くアンティークものです。当時の設計図も残っておらず、繊細・高度な技術を知る技術者・職人さんも皆無に近いそうです。1815年製物を4ヶ月で修理すると言ってきた英国の技術者達は、4年経っても未納の状況だそうです。野坂館長には心からの感謝とエールをお送りし、今回も素晴らしいプログラムを計画して頂いた木村さんにお礼を申し上げます。(お聴きしたことまだまだ書き足りませんが、是非美術館のホーム・ページを開けてみて下さい)

伊豆高原大室山と野坂オートマタ美術館 増田美智子

快晴に恵まれた3月25日、10年ぶりに山の会に参加が叶いました。前夜から私宅に泊まり込みの妹と二人、JRに乗り込むとおなじみチャンプの皆様と合流でき、無事伊東駅に10時到着。総勢30名で各班を確認して頂き、貸切同然の増発バスで大室山へ。麓のリフト乗り場まで40分、木村隊長から頂いた細やかなご配慮の案内書片手に改めてご迷惑をお掛けせぬようにと思いました。大室山は富士山より古く、「ここで妹に当たる富士山を褒めるのは禁物」とのチラシを貰った時には既に目前に聳える富士の麗峯を讃えた後でした!リフトに8分、降りると左回りに火口の尾根をつたう遊歩道が巡らされています。早速勇んでその舗装道に足を踏み入れましたが、初めの登りに設置された短い手すりが終わると左右に転がり落ちそうな不安定感が暫く続き、尾根歩き初体験の私はどうなることかと思いました。そばで「引き返そうか?」などと言っている若い家族連れもいたりして、尚のこと尾根歩きが平気な登山家の方々に敬意を抱きました。まだ冷たい風に首をすくめながら次第に足もとも慣れてきて、素晴らしい景観に歓声をあげたことでした。
頂上の広場で相模湾を眼下に雪を美しく被った富士山を背景として川崎さんが記念撮影してくださりいよいよカルデラ巡りも後半に。尾根巡りの足取りもやっと軽くなりました。手作り弁当で三々五々休憩し、売店のみたらし団子を皆様で頂き、再びリフトで無事下山!お陰様で“登山の気分”を満喫させて頂けました!
そこから別荘地の一般道を徒歩で下ること40分。チャンプ会員野坂征男さんご運営の野坂オートマタ美術館へ向かいました。館長さんのお出迎えで今まで足を踏み入れた事もない不思議な
世界を2時間近くもご案内頂き、オートマタとは西洋のからくり人形のこととお恥ずかしいことに初めて知りました。日本のからくり人形の機械部はすべて木製だったそうですが、西洋のそれは進んだ時計技術を駆使した金属製であった由。館長さんが40年近くに亘って渡欧の度に集められた見事なまるで生きているような人形の数々に目を見張りました!
「梯子の曲芸師」「喫煙人形」「手紙を書くピエロ」「エジプトの蛇使い女」等々。この蛇使いの女性はその息遣いまで細かく表現されていて驚きでした。特に特別展示品の1870年作「エチオピアのハーピスト」は館長さんが数回実演してくださりその美しく繊細な音色にひととき宮廷人になった心地でした。庭園でお茶をご馳走になりながら、咲き始めたばかりの桜を皆さまと愛でました。
最後に伊豆高原駅近くの「うまいもん処」で温泉と海鮮料理をゆっくりおしゃべりしながら楽しみ、各自自由解散となりました。
木村隊長、野坂館長、班リーダーの皆様、写真班の川崎様!ご準備とお心遣いに心より深くお礼申し上げます!〈運動と教養文化の一日〉を誠に有難くお仲間の皆様にも道中助けて頂き有難うございました。

会員消息

「古流いけばな展」で森田和江さんの作品を鑑賞しました

古くからの会員である森田宏次氏の奥様和江さんは今年からチャンプ会員となられましたが、和江さんが指導教授をされている「古流いけばな」の第77回作品展が池袋の東京芸術劇場のアトリエで開催されました(3/14~16)。会場には20点以上の作品が並び、和江さんは森田理翠という流派名で「椿」と「桜」の2点を出品されていました。チャンプからは会員が10名ほどが訪れて普段あまり目にしたことのない古流のいけばなを興味深く鑑賞し、和江さんから説明を聞いたりしていました。古流は江戸時代中期に創始されましたが室町時代の足利将軍家の床飾りの精神を具現したものだそうです。現在は多くの流儀があるとのことですが、その基本は、花木の枝数本の足元をひとまとめにし、各枝は目標とする形になるよう上や横にしならせて最終的には「真、行、草」(物の本には「天、地、人」とも)の三角形を成す様につくりあげることだそうです。「いってみれば花枝の形が両手を広げて背を反らせたバレリーナのようになります」とも説明されていました。(写真は和江さんの椿の作品です)(文責:中林由行)

奥田美代子さんのお能の発表会を鑑賞して

3月30日(土)国立能楽堂で奥田さんが所属される能楽観世流皐風(こうふう)会20周年記念大会が開催され、奥田さんは舞囃子「野宮」(ののみや)を演じられました。チャンプから10余名が訪れ彼女の素晴らしい謡と太鼓や地謡を伴った舞囃子に日本文化の粋を味わうことができました。(山田伸代 記)

お能と「野宮」(ののみや)について 奥田美代子
奥田さんの舞囃子を楽しんだチャンプ会員

奥田さんの舞囃子を楽しんだチャンプ会員

“能の基本的な目標は美の創造であろう”、日本文学の国際的な評価を高めるのに貢献し、先日他界された日本文学研究家ドナルド・キーン博士の言葉である。更に“能は動いている絵”であるとも。未熟ながらも、私が舞囃子を舞った曲は能「野宮」で、出典が「源氏物語」、能の作者は世阿弥、曲柄は三番目物(女性が主人公)、場所は秋の嵯峨野の、野辺の仮の宮。世界最古の小説「源氏物語」で紫式部は、今から千年も前の平安時代に、六条御息所と光源氏との懊悩と嘆きに満ちた恋と別れの場面を、みずみずしい筆致で描き、世阿弥が陰影深い謡の旋律と詞章で能の美の世界を創造した。今も現代人の心を魅了して止まず、私にとっては忘れがたい作品である。このお二人、今世紀に実在していたらノーベル文学賞は間違いなしであろう。

チャンプ例会のお知らせ

◆ 日時:6月22日(土)11:45~15:00  申込期限:6月15日(土)

◆ 会場:湘南台チャンプハウス 12階ラウンジ  電話:0466-42-0023
◆ プログラム:昼食 11:45~12:45
(昼食の場所は「湘南菊華大飯店」藤沢市湘南台2-5-11 ウエストプラザビル 2階
湘南台駅西口C階段・エスカレータを上り、左手の大通りに沿ってまっすぐ1ブロック、
信号渡り右側のビル2階奥、ビル前に外エスカレータあり。駅より徒歩1分)
電話:0466-42-7866、食事代¥1000は現地で支払い)
例会 13:00~15:00 (受付で会場費¥500をお支払いください)
・アメリカよもやま話  山本代表
・ゲストのスピーチ「自分と家族を守る老い支度:相続・認知症対策など」
ゲスト・スピーカー 司法書士 西川優美さん
(西川さんは司法書士法人市川事務所所属、「わくわくできる老後にしよう」をモットーとして相続、遺言、後見を専門業務として活躍中)
・活動グループからの報告
◆連絡先: チャンプ事務局:事務局は要員が常駐していないので、お申し込みは下記要領でお願いいたします:
① メール利用可能な方はメールでお願いいたします。
Eメール:info@champjapan.com
メールを利用されない方は、FAXでお願いいたします。
FAX : 0466-42-0024(次頁のフォームをご利用ください)
② 上記①、②が不可の方は事務局へ電話連絡を願います。
留守の場合は、必ずメッセージをお残しください。
電話:0466-42-0023
(出欠お知らせへの受信確認のお返事は失礼させていただきます)
③ 緊急連絡は(山本携帯)へお願いします。

チャンプ関西支部 6月例会のお知らせ

◆日時:2019年6月19日(水)、18:00~20:30 申込期限:6月12(水)

◆会場:アレグロ芦屋(芦屋のカジュアルイタリアンではNo.1、ナポリピッツアで世界No.6の店)
芦屋市東山町7-21 古川ビル2階 電話0797-80-7240
JR神戸線芦屋駅北口から徒歩10分

◆プログラム:・CHAMP動向
・アメリカよもやま話
・皆さんの近況報告
・懇親食事会

◆会費: \6,000/1名 *例会前日(6/18)以後のキャンセルはキャンセル料を
いただきますのでご注意ください

◆出欠連絡:幹事 長田伸一郎の下記連絡先へお願いいたします。

お問合せはこちら

アメリカ旅行雑感 宮尾賢

昨年12月と本年3月、家族で米国西海岸を旅行しました。主たる目的はカリフォルニ
大学アーバイン校に留学中の孫娘に会うためでしたが、旅行中に感じた最近のアメリカでのMobility as a Service(MaaS)=「移動手段を提供するサービス業」の実態をお伝えいたします。
アメリカでは大都市でも日本のように公共交通機関がありません。いきおい旅行者はこれまでは専らタクシー頼み。それが今度の旅行で一変しました。空港やホテルで孫がスマホを鮮やかな手つきで操りライドシェア大手のリフト(Lyft)の車を頼みます。乗客の数、車の大きさ、行先までの所要時間、料金、待ち時間、運転手の評価(前に乗ったお客の評価)などをスマホの画面を見ながら依頼する車を決めていくのです。待つこと数分、孫が手許のスマホに表示される車の色と種類、ナンバーを見て「この車よ」と言って手をあげます。ドライバーはスマホのGPS機能で乗客の居場所を識別するのです。
「Hello!」と言って乗り込むと、黙って走り出します。ドライバーの前には目的地までの経路を表示したスマホが置かれていて、それと同じ画面が依頼した孫のスマホにも出ています。
そこから外れた経路を走ったら、すぐにLyftに管理事務所へ連絡できるのです。目的地へ着くと「Thank you!」、ドライバーは我々に「Have a nice day!」でおしまい。料金は登録したカードで自動引落し。まことに効率よく煩わしくないビジネスライクなサービスです。孫の話では、朝夕ラッシュ時だと多少時間もかかるそうですが、普通の時間帯なら待ち時間は長くて5分程度。料金はこれも時と場所によるようですがタクシーの80%ぐらいらしいです。空港やデイズニーランドには「Ride Share Pickup Point」(ライドシェア乗り場)と看板が出ていて専用の乗り降り場所が設けられていて、社会的に認知されているのです。
アメリカのライドシェア最大手はウーバー(Uber)ですが、私が旅行中の3月末、がリフト
が先に株式上場をはたし、ウーバーからシェア奪回を狙っています。Lyftの売り出し価格は$73、時価総額は約$220億(約¥2兆4千億)、因みにトヨタの時価総額は約¥22兆。トヨタも将来の市場の変化に備えてウーバーに出資したり、他のIT企業とも提携を進めてMaaS企業への変身を図っています。

編集後記

新元号が「令和」に決まり来月から新しい時代が始まります。チャンプのニューズレターには元号は表示していませんがこの号が平成最後の発刊になります。西暦と和暦のように二重暦を採用している国はいまや日本だけのようですが、面倒なので西暦に統一したい、という意見もよく聞かれます。しかし元号に馴染んできた私のような年代から見ると元号は時代や社会を捉える一つの区切りとしてわかりやすい、という長所を持っていると感じられます。確かに西暦は使いやすい、司馬遼太郎氏は「文明というのは便利で合理的でどこでも使える普遍性を持っているものだ」と言います。そして「文化」と言うのはその反対なのですね。したがって西暦は文明であり和暦は文化である、という言い方ができるでしょう。日本古来の伝統や文化の伝承を元号が象徴しているとも言えるかもしれません。若い人たちの考えが今後どのように変わってゆくかはわかりませんが、グローバル化は必要であり避けられないものの日本人としての精神や文化の継承も重要であることはいうまでもないと思います。(中林由行記)