山本代表メッセージ

Dear CHAMP Members and Members to be:

コロナ禍の新年、皆様いかがお過ごしでしょうか?
不安に満ちた年末年始であったと同時に、新年こそはワクチンが普及し、安心・安全な世界を取り戻せる!という期待と希望を持って過ごした、と言いたいですね。実際ワクチンは欧米で徐々に接種を開始していますが、どうも感染拡大に歯止めがかからないようです。

このような時に、一体どんなことが心に浮かんで来ますか?
私にとって最大の関心事は「命の確保」です。政府は経済か感染予防のどちらに優先順位をつけるかと悩んでいますが、日本にとって戦後最も深刻な危機に直面しているのに、何を迷っているのかと不思議にすら感じます。なぜなら、命無くして経済は存続し得ないという明白な現実を見失っているからです。どちらが鶏でどちらが卵か、の問題ではないと思います。昔から「命あっての物種」とよく言われます。そうなのです!「命」無くしては、何も出来ないのです。
飲食や旅行業界等にとってコロナ禍による経済的な打撃と損失は予測以上のものとなるでしょう。雇用の喪失は甚大な数字となり、ホームレスになる人も出てきています。財政赤字が更に膨らんでも国はその人達を救い、感染防止と医療を最優先することが今最も重要であると思います。

もう一つの関心事は、では私達に何ができるか、です。
特に70代・80代のチャンプ会員にとって出来ることは何でしょう。残念ながら体力は減退の一途です。されど私達が豊富に持っているもの、それは知識と豊かな経験です。財力も若い人達より多少はあるかも知れませんが、年金暮らしになると心細いですね。それに自分自身と家族も守らねばなりません。ですから老齢者の力は、誰にも持って行かれない経験と知識です。

これからは成熟世代の貢献時代:経験と知識を役立てる。
日本は世界で最も高齢化が進んだ国です。2020年9月の統計によると、65才以上の人口比率は28.9%(3,619万人)、内70才以上22.3%(2,795万人)、75才以上14.9%(1.872万人)、80才以上9.3%(1,161万人)です。私は「高齢者」は65才以上ではなく、70~75才以上からだと思っています。2030年には70才以上の人口が24.9%、4人に1人となります。これはすごい人口構成ですが、ポジティブに考えると経験豊かな有権者世代が3,000万人という見方もできます。チャンプの若い会員世代は更なる力です。

チャンプの目標の一つは、助け合いと自立した生活を過ごすことです。
自分の周りで出来ることを見つけて、チャンプの活動として提案して下さい:例えば、
① 皆さんのご近所に「引きこもり」の老人・子供を抱えた家族はいらっしゃいませんか?
日本の引きこもり人口は100万人を超え、40才以上が多いという調査結果があります。
80代の親が50代の子供を養い、社会から孤立し困窮しているケース「8050問題」等です。一人にでも1家族にでも声かけ運動を始めてはどうでしょう。相談に経験を生かしましょう。
認知症との取り組み:認知症は誰にでも起こり得る症状です。自分自身のため、助け合いのためにも認知症に関する講座や認知症サポーター養成講座等に出席して、知識を得て助ける準備をしておきましょう。各地の自治体との協働活動もできるでしょう。

2021年が人類にとって後退の年ではなく、前進の年になることを願います。
それには私達一人一人の存在意識と貢献意欲が必要です。ご提案をお待ちしています。
緊急事態宣言で皆様に直接会うことが難しい毎日ですが、ZOOM例会・電話・メール・郵便等で交流を続けましょうね。コロナ禍に負けずに、
チャンプのスピリットを高く掲げて下さい。
元気に頑張りましょう!

CHAMP代表 山本儀子 Noriko Yamamoto

チャンプ関西・例会&早めの忘年会報告 11月17日(火)

会場夕景

関西支部では春に京都で予定していた3月例会が新型コロナウィルス禍の発生により急遽中止となり、今年最初で最後の一回きりの例会が11月17日(火曜日)に「11月例会&早めの忘年会」として芦屋川沿いのお屋敷町にあるリストランテ・ベリー二にて開催されました。

新型コロナ感染第3波が始まるかというタイミングでしたが、食す時以外はマスクを着用、手の消毒、空気の換気・清浄化を徹底しつつゲストを含め14名の参加を得て行われました。

写真は 後列左から 長田様、長田(眞)様、増井様、加納様、岡田、浅野様、井藤様(ゲスト)、前田(隆)様、藤原様
前列左から 辻様、木下様(支部長)、山本様(代表)、沖様、北沢様

山本代表の“アメリカよもやま話”は『大統領選後のアメリカと世界』と題して、始めに10月24日に行われた本部でのZOOM例会の状況の報告がありました。ZOOM例会ならではの新しい試みとして、会員からの作品展示のコーナーが設けられ、関西からも辻様、加納様、稻上様が作品数点ずつを“画面共有”で展示しつつ制作主旨や技法なども自ら解説されて楽しく深く鑑賞できました。作品出品された方、お疲れさまでした。詳細は既刊「Newsletter88号」の詳しい記載をご覧ください。
さて本題、前半は本部のZOOM例会でも報告された、新型コロナウィルス感染の第2波の状況、トランプ大統領とコロナ禍が浮き彫りにした多様性あるアメリカの分断、大統領候補者第1回ディベートからの中間状況と両候補の人的特性について、後半では「アメリカ大統領選の結果と今後」ということで、ほぼバイデン氏勝利の公算が大であるが、12月8日の最終結果、14日の選挙人投票まではまだ分からない。この大統領選での論点やその策を見ると、世界と日本にとってトランプ氏とバイデン氏のどちらが良いのか、アメリカが今後国際社会にどのようなスタンスで関わってゆくことになるのか、そして、何れにしても戦後アメリカ頼り一辺倒で来た日本の今後については大いに危惧の念を持たざるを得ないという、熱いお話がありました。
その後、支部長木下様のご挨拶と“乾杯”に続き、ベリーニ自慢のコース料理を頂きながら出席者の皆様から近況を代わるがわるに語って頂きました。

演奏もマスク姿で

前田隆彦様ご紹介のゲスト井藤雅博様は洋画家で、今日も阪神百貨店での個展の帰りとのこと。お2人が知り合ったきっかけは、知る人ぞ知る大阪に未だに残る花街「飛田新地」の御茶屋の解体現場視察で出合いヨーロッパの話題などで意気投合してのことだそう。そこから話は飛田新地にある料理屋「百番」はまだあるのか、凝った意匠がスゴイ等々会場でも話は盛り上がりました。
皆さん三密の可能性のある場には出入り禁止、会議・打合せも極力SNSで行うことなど職場でルール決めがなされている。ボランティアで使用している会場の使用許可が未だ下りない。幹事として準備していた同窓会が直前で中止せざるを得なくなり、準備経費を全部被ってしまった。贔屓にしていた飲食店や物販店の店じまいが続いているなど、皆さん新型コロナウィルスには苦労されているようです。一方、能楽や謡、釣りやゴルフなど、三密を避けやすい趣味をお持ちの方は続けられているようですし、図書館通いで読書三昧、自宅で出来る“かなもじ”の研究など新しい趣味をはじめたり、近所のウォーキングのルートが増え新しい発見を幾つもし、住む街の良さに改めて気づいたということもあるようです。

動画でなくて残念💦

歓談時間の後半は、長田様からバンドのお仲間フッコさん(プロ)のピアノ、キイチさんのギター、チョータ(長田)さんギターのNAGATA Trio でジャジーな4曲を演奏して頂きました。
・スティービー・ワンダーらの「悲しみの恋人たち(Cause We’ve Ended As Lovers)」
・バークリー音楽学院のギター教授 トム・フジタ作曲 「京都」
・イヴ・モンタンの「枯葉(Falling Leaves)」
・フレディー・キング作のインストルメンタルブルースの中でも明るい曲「Stumble(千鳥足?)」
さらに、長田眞知子様には「ブルー・ハワイ」の歌にのせて“素敵なフラダンス”をご披露頂き、ご機嫌な一夜を過ごすことが出来ました。長田様、皆様有難うございました。(岡田優 記)

 

会員消息 自粛生活よもやま話(その3)

会社経営と感染症に思う 守谷 守

若し今の感染症が300年前に起きていたら人々の生活や社会はどうなっていただろう? 江戸の街や宿場町では感染爆発が起こり流言飛語で大混乱していたに違いない。

「人類の歴史は細菌との戦い」と言われるが、まさに今、私達は目に見えない敵と戦っている。過去の戦いで免疫力を身に付けて生き残った者の子孫である私達の免疫力や先人が開発したワクチンでは戦えないのだから厄介だ。

職場でも学校でも、他人と近づいたり集まったりしない。 外出するときはいつもマスクして 外食は4人以下で1時間以内、 寒くても換気して 話もしない。これが我が方の今の戦略だ。これでは生活は面白くもないし楽しくもない 大抵の会社も苦しくなる筈だ。しかしそれでも私達は会社と社員従業員を守って行かなければならないのだ。

それなら前向きに今の状況をよく見て考えれば会社の体質を変えたり商品開発をするよい機会なのかもしれない。

マスクや消毒関連は勿論、感染対策商品すべて売り上げを伸ばしている。
例え ば、お持ち帰りの多いマクドナルドが好調 加湿器も通常の4倍売れているとのこと。
私の会社では換気に関係して網戸が未だに良く売れている。
感染症対策商品や巣ごもり商品もまだまだ開発の余地があると思う。

そんなことを考えて巣篭っています。そしてCHMAMPの皆さんと一緒に語り合える日が一日も早く来ることを待ち望んでいます。

写真説明
外出するときも 人と会う時も 話をするときも 下を向いている今日この頃 せめて自分の庭では「上を向いて歩こうよ」と皇帝ダリヤが咲きました。

以上

私の正月よもやま話し 脇屋英子

私の育った新潟の田舎では正月を迎える準備は年末ギリギリに家族総出で餅つきをして大掃除をしておせちを作る。それらの総指揮はいつも元気いっぱいの祖母、母は料理担当、子供たちは祖母とともに家中の掃除、父は雪山に入り門松を切り神様を迎える準備。大みそかは早めに風呂に入り新しく作ってもらった綿入りの着物におそろいの半纏を着て少し緊張をしてお膳につく。囲炉裏で焼いた鮭にお煮しめ、きんぴらごぼう、昆布巻きに煮豆、たことモズクときゅうりの酢の物、炊き立てのご飯に味噌汁、山盛りのごちそうを食べて夜のうちにお年玉をもらいます。
元日の朝は朝日が昇る前から村中の人が氏神様に集まり無事に年を越せたことを感謝し、今年一年の無病息災を祈り、豊作を祈り、お神酒をいただき新しい年を迎えられたことを喜び合う。そして元日は大人たちは親戚中に新年のあいさつ回り、こうして新しい年が始まるのでした。

そして今は昔の習慣はすっかり忘れてしまい年末は掃除もせず家族と過ごすこともなく紅白歌合戦を見ることもなく、おせちも買ったもので済ませ、一人で過ごす大みそかが恒例になってしまいました。
ただ三が日のいずれかの日には孫を連れて息子たちが新年のあいさつと田舎の味のお雑煮を食べに来てくれます。今年はいつまでも訪ねてきてくれるように手作りのおせちを作ろうと考えています。そして私のこの思いを「この正月の習慣だけは続けたいね!!」と折に触れて声に出して息子の心に刷り込んでいます。この我が家の正月の行事がずーと続きますようにと祈りながら・・・

【(追文)ちょっと良い話】

現役を引退し息子たちもそれぞれに独立をし「嫁に息子を取られ、することもない毎日で寂しい限りよ!」と常々愚痴っぽくなっている私にある方が「長男と十二月中にぜひご実家の墓参りに」と勧められ十二月十六日に新潟に墓参りに出かけました。そこでまさかの遭遇日本中に関越自動車道路上で二千台以上の車の渋滞のニュースが流れましたが、その中の一台が私と長男の乗った車でした。
二泊三日は長男と車の中、長男は誘った私に文句も言わず身体を気遣い、こまめに雪かきをし、状況をSNSに投稿し、メディアに取り上げてもらったり、友人との会話を楽しんだり・・ほかの子供たちも電話をしてきて安否確認やら励ましやら、友人や会社の社長からも電話をもらいこんなにもみんなに大事にされているんだなあと再認識、これが新潟に墓参りの意味だったのかと・・・・寂しさは払拭され二度と愚痴りませんと決意した次第。年末に来て二泊三日の素敵な神様からのプレゼントでした。

パンデミックとともに 増田美智子

老いも若きも新型コロナウィルスとの新しい暮らし方に否応なく慣らされて新年を迎えた。しかし油断大敵とばかり年末年始は孫達家族とはオンライン対面で我慢した。
初めての静かな年末年始を久しぶりに湘南台チャンプハウスの妹宅で過ごし、来し方を懐かしんだが、人生の後期高齢期に今回のパンデミック襲来で貴重な時間の自由を奪われた割には互いに元気で2021年を迎えたことを喜び合った。
妹はパンデミックも何のその仕事仕事で東奔西走していたが、私は2月でコロナ引退(と言っても近場で週一回塾の手伝いをしていただけだが)、3月からは年相応の隠居生活となった。有り余る時間だったが毎日朝からテレビのコロナ関連報道に聴き入り、国の対応の遅さにイライラを募らせていた。運動不足に気付いたのは夏になった頃で慌てて2キロ位の散歩を始めた。
前号で関西会員の皆様の素晴らしいお暮らしぶりに触れ大変感動していたにも拘わらず、落ち着いた読書も不可で、年末にメモを見ると僅か数冊しか読んでいなかった。それもこれまでなら手にもしなかったような「国のあり方(国体論)」風な本などで・・・今更勉強しても遅いのだった。あとは「若い人達頑張れ」と叫ぶしかない。
世界中の研究者達と企業の協力のお陰で暮れの12月8日英国やロシアでワクチン接種が始まった。ワクチン待望論の私は日本でも可能になったら受けるつもりではいる。
2020年を振り返って思うことは、やはり「日本国ってこんな危機管理に無頓着の国だったの?」という落胆である。国民には日頃から緊急時に備えておくよう繰り返し言っておきながら、当局はパンデミックに対しほぼ無防備で貴重な過去10年を余を過ごしていたということを忘れてはならないと思う。1945年前後を記憶している日本人も少数派となってきたことでもあり、心配性の私は日々安穏ではない。“空気”という得体のしれないものに流されることの多い日本人について深く考えさせられた1年であった。

福澤桃介、異聞 梅澤正巳

唐突であるが、福澤桃介という明治人をご存じであろうか。彼は、かの福沢諭吉翁の女婿であり、株式投資で財を成した後、石炭や電力開発、紡績事業等、に転じて活躍し成功した人である。
そして、如何にも明治草創期の事業家らしく、その人となりは破天荒で、事業家でありながら政界に進出して衆議院議員も務めていた。
私生活においては女優川上貞奴と浮名を流し、云わば傾奇者として生涯をおくった人物である。
その彼には幾冊もの著作があり、その中には世間の不条理を乗り越え、紆余曲折を経た人のみが会得したであろう言説が残されている。
「人生きて己を飾る、偽善こそ浮世を渡るコツならば、偽悪を通した男の生涯は、人間の真実を暴いて面白かろう」 さらに、
「人間万事ウソ半分、本当半分、もしくは三割ウソ、七割本当と云う程度か」 と。
如何にもと頷ける。彼は両手に余る企業への投資活動や再三の開発事業の中で、確かに成功を収めた。それは、けっして彼だけの力によるものではなく、優れた能力の協力者や掛け替えのない友の助力によって勝ち得た成果でもあったろう。
しかし、現実の世界では、同じその人たちや仲間が原因で、苦い経験を味わい、失敗もした。それは、外部者の敵対的行為によるものではなく、寧ろ仲間の意気地のない背信、又は逃避行動によって齎されたものが多くあった。
大方は、予期せぬ出来事であり、日常、背信や裏切りは隠蔽され、表に出ることは無いからである。ある日突然、眼前に現れ、止むにやまれぬ事情によって赫々云々になったのだと弁解がされる。
しかし、その事実は、長くCamouflageされ、装われていたのである。
譬え、その本人に悪意がなくとも、善意の人を騙して、事実を隠し続けたなら、それを悪と云わずして何を「罪悪」となすのか。
所詮、人の世はこんな程度で、真実や誠実のみで成り立ってはいない。また、時と場合によっては、ウソ(誇張)は大人の世界では常態である。それに、事実をこれが現実であると主張し説明しても、何程の理解や解決を得られるであろうか。
ならば、最初から自分は「悪である」と表明して行為に及んだ方が潔いではないか。
おそらく、桃介の述懐はそんな居直りとすら感じられる。
否、それは決して居直りではなく、長い事業活動の中で、また道楽に耽溺した生活の中で、彼が悟った人間の本性から発せられた言葉ではなかったのか。
今、政界や経済界において、やたらと「正義」が云々され「嘘」が糾弾されて、喧しく議論がなされている。
果たして、桃介はこの有様を観て何と言うであろうか。彼の述懐は、現実からの逃避で卑怯な態度なのか、それとも現実主義に徹した大人の知恵であり、老獪なStyleであるのか。
Corona禍の中で、そんなことを考えて過ごした。

コロナ禍の中で 山田伸代

(新型ウイルスの影響、貧困国と先進国で大きな差=BBC調査2020年9月11日)https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-54114781

新型コロナウィルスが世界に蔓延し始めてから1年が経過した。未だに先が見えない中、自己責任で感染しない・させない、という強い覚悟が必要だ。現在世界中の感染者数は、約9000万人・死亡者数約190万人(1/11NHKニュース)という。大変な数字にまで感染が広がっている。世界単位での収束が必要であろう。経済格差にあえぐ国々の事情を知ると深刻さが伝わってくる。日本の大都市で今発令されている「緊急事態宣言」は、国際社会でテロや、暴動などが起きた際及び、伝染病や災害が起きたときに政府が発令する「非常事態宣言」よりは、狭義のようだが、国民の安全を守るために発令され、大変な事態であることには変わりはない。自国の安全を守りながら、世界で収束することへの連携協力、貧困国へのワクチンの供給支援など日本でも是非検討してほしい。

 

個人のレベルで考えると、生活スタイルが去年の3月末ごろから一変した。仕事は基本すべて在宅でやることとし、一日中パソコンと向き合う生活となった。IT依存度が高くなり、種々のトラブルに遭遇しながら一人で奮闘することになる。フリーランスで仕事をすることの厳しさが解る。あっという間に時間が経ち、年を越した。運動不足、眼の疲れ、肩凝りが増し、人と会って話すことがめっきり少なくなった。これではAgingに拍車をかけるとあわてた。一方、たまに職場に出勤すると、みなが声をかけてくれ、再会を喜び合った。朝、久しぶりに散歩してみると、太陽の陽射し、空の色、木の葉の色が変わっていることに驚く。黄色のグラデーションに染まったイチョウの落ち葉が絨毯のように敷き詰められていた。感動し思わず持ち帰りテーブルに飾った。

声をかけ合うのが嬉しい。「つながり」の価値の大きさを私生活でも仕事の上でも感じる。米国・欧州・アジアのそれぞれのカンターパートとのメールでのやりとりも文体が去年とは違ってきた。電話で話す機会も増えた。相手の様子を聞きながら、要求事項をはっきりと伝える。おたがいさまという意識が高まり、コミュニケーションは昨年よりもよくとれている。コロナ禍がもたらした連帯感かもしれない。人間関係のネットワークと、インターネットの繋がりが、いま財産になっている。コロナ禍の経験値を活かし、垣根を超えた絆や連帯が生まれ、新しい形で前進することが楽しみになってきた。

ロマネスクに魅せられて 長部由美子

ショーヴィニー サン・ピエール教会
「キリストの誘惑」12世紀(インターネットより)

ロマネスクは中世キリスト教と共につくられた宗教美術で、主に建築、彫刻、壁画、写本、の中にみることができます。10世紀末から12世紀にかけて西ヨーロッパにキリスト教の浸透と共につくられた修道院、教会に付随するものです。それ以前の8世紀頃からのものをプレロマネスクとよんでいます。
ですからキリスト教がひろまったところにしかロマネスクはありませんので、ヨーロッパに行かないと見ることができません。しかし当時の修道院や教会は人里離れた、静寂に包また地に建つものが多く、旅行者としては行くのは大変ですが、その土地に築かれた個性豊かなロマネスクに出会うのはこの上ない喜びです。その地の歴史的背景によってギリシャ、ビザンティン、イスラム、オリエント等の影響を受けて多様な表情を見ることが出来ます。この多様な表情こそがロマネスクの魅力の一つに思われます。
あんなに戦争を繰り返したヨーロッパによくぞ残ってくれたと感謝感激です。もちろん修復に修復を重ねて現在至っているようですが、現在の修復はなるべくオリジナルに近づけるという考えで行われているようです。
ロマネスクのどこがそんなに良いの?—素朴で純粋で自由な感情表現、ともかく可愛いい!その表現は悪魔でさえ可愛いいのです。小さな教会にこそ多くの感動的な表現を見ることができます。
キリスト教を信じてもいないで、勝手なこと言ってすみません。
ギリシャ・ローマの彫刻に対し、ロマネスクというとまずは、その浮彫彫刻が知られていますが、≪その起源は写本挿絵を石のうえに移し替えたことにある≫と本で読みましたが、写本の世界はまた魅力に満ちています。最近亡くなったショーン・コネリー主演の映画「薔薇の名前」に、中世キリスト教修道院での写本の作成の様子がうかがえ、ストーリーも写本にまつわるミステリーで、007とは違ったショーン・コネリーが、しぶくて素敵でした。
写本といえば2019年に訪れたアルメニアのハフパット修道院で図書室の床にいくつもの穴が開いているのを見ました。敵が攻め込んできたときに、本をこの穴の中に隠して守ったと聞きました。ふーん。本は大切に守られてきたのですね。
このコロナ禍の中、次にロマネスクに会えるのは何時になるのかしら。

コロナでも歌いたい! 伊藤綾子

私が今所属している女声合唱団の指導者、臼木由利子先生にめぐり合ったのは、主人の
赴任先について行ったインドネシアでした。
私より一年ほど早く帰国された先生が、帰国する時に「恵比寿で女声合唱団をやっている
から、帰国したらぜひいらっしゃいね!」と誘って下さいました。
1989年6月に帰国して即入団!以来毎週休まず練習に参加してきました。 その週一回の
習慣が突然断たれてしまいました。 コロナです。今年二月末から約半年コーラスをする事が出来ません。早い段階でコーラスでのクラスターが起きた!という事もあり、週一回集まっていた団員が真面目に自粛生活をしていました。
でもコーラスが好きな人は沢山います。そしてプロとして活躍している方々も…
夏頃に、東京混声合唱団が歌うためのマスク「歌えるマスク」というものを専門家を交えて考案し、近々一般発売される!という事が分かりました。待っていた人も沢山いるようで、
私達全員が入手出来たのは10月末でした。9月に入ってから団員を半分に分けたり、パート
練習にしたりと少しずつはじめ、「歌えるマスク」が手に入らない時は、フェイスシールドを使ったりしていました。でも自分の声ばかりでこもってしまったり、先生の所まで声が届き
にくかったりと都合が悪かったようです。
東京混声合唱団の「歌えるマスク」は、呼吸も楽で本当に歌う事は楽にできます、また
聴いている方も自然に聞こえます。東京混声合唱団がこのマスクを使用してコンサートを
開催された様子がYouTubeで見られます。合唱は、とても自然に聞こえますが、やはり
歌っている口元が見えないのは、何とも言えません。
(注.歌えるマスクは、コロナを防ぐためのものではありません。)
私達の練習もそれなりのリズムが出来てきたな!と思った11月に入り、また感染者が増加
して来て練習も中止になってしまいました。
チャンプコーラスの再開は、どのようにすれば良いのでしょうか?コロナ終息!を待たないといけないのでしょうか!新しい年と共に良い考えが生まれてくるよう願っています。

新入会員自己紹介 西村 晴道

「いろんな国に行きたいー100ヶ国をめざして」

最初の海外旅行は、大学卒業時1970年3月の返還前沖縄です。
住友建設時代担当していたグランドホテル浜松の当時の戸田和夫社長は、いつも海外のすごい話を身振り手振りを交えて話してくれました。ついに1979年10月、アメリカのホテル視察に同行するチャンスを得ました。「西村、ここのロビーになぜ水の音があるのか?」「なぜレストランは薄暗いのか?」など、現地で教わったことは忘れられません。

そのはずみで海外への願望が高まり住友建設を辞め、家族を日本において単身1983年10月アメリカへ旅立ちました。ミネソタ州のソービック建築事務所で2ヶ月、その後1カ月アメリカ国内を回りました。冬の中西部ミネソタ、ノースフィールドではマイナス40度のスノーストームに遭い、南のフロリダでは泳ぎ、アメリカの広大さを実感しました。
帰国後1984年2月に建築設計事務所を開設し、現在に至っています。

昨年2019年で海外の旅は83ヶ国となり、現在はコロナでストップです。
建築を訪ねる旅のきっかけは、ジュネーブ在住の岸井敏牧師夫妻と私と妻の4人で、1999年と2003年の2度にわたる「スイス一周建築ツアー」をしたことです。先生にはあらかじめ見たい建物、教会、有名建築家の作品を選択して資料を送り、車を運転してガイドしていただきました。

その後毎年3~4回、教会・ホテル・レストラン・街並みを主に個人視察を続けています。私はまず建築物の外観から内観へと、遠くから近くからくまなく写真とビデオを撮り、その間に妻は案内人の説明を聞き、メモを取ります。こうして撮影した写真をもとに2008年5月に写真集「世界のモダンな教会堂をたずねて」を出版しました。

活動会報告

新型コロナの感染拡大に伴い、大部分の活動会は活動の中止を余儀なくされていますが、いくつかは以下のようにオンライン会議方式で実施されています。

1.英語を共に学ぶ会
毎月第4土曜日にZOOMで例会を継続中。
(幹事:高橋嗣雄)
2.健康と栄養を考える会
毎月第4木曜日にZOOMで健康相談等を中心に開催。
(幹事:原田規義)
3.投資クラブ
2月からZOOMで再開予定。
(幹事:宮尾 賢)

以下は現在休止中です。
4.ゴルフ愛好会
5.スピリチュアル懇親会
6.東京探訪の会
7.山の会
8.コーラスを楽しむ会
9.社会貢献ボランティア会
10.日本文化を語る会
11.海外を見てみる会
12.チャンプハウスⅡを考える会
13.ベビーサイン教室
14.温泉同好会
15.スケッチ散策会(関西

2020年度収支決算2021年度予算

ホームページ上では省略

編集後記

新しい年を迎え、新型コロナが収まってくれるのではないかという期待もむなしく、第三波が全国を襲い、大都市圏を中心に緊急事態宣言が再発令されました(1月8日から2月7日まで)。
本号では、表紙の写真になるイベントが無かったのでネットから富士山の新年初日の出を使わせてもらいました。本部の方は年末の例会・忘年会は中止となりましたが、関西支部は早めに実施して・詳しい報告を岡田さんが書いてくださったので助かりました。少人数で、おいしい料理、楽団演奏、フラダンスまでとうらやましいような忘年会でしたね。
「自粛生活よもやま話・その3」に寄稿してくださった方々、ありがとうございます。伊藤さんが書いてくれた「歌えるマスク」は販売されていて1,300円です。 今後もこの欄は続けさせていただきたいと思っています。まだ登場していない会員の皆さんも次には是非寄稿をお願いします。
安江さんの紹介で新しく会員になられた西村さんは福音ルーテル教会の会員で世界の教会建築に詳しく、多くの教会も設計されているようです。詳しくはネットで「西村建築設計事務所」を検索してください。
決算予算は例年四月号掲載でしたが今年は高橋さんが早くまとめてくれました、感謝です。
(中林 記)